環境負荷低減に向けた取り組み
当社は、ものづくり企業としてイノベーションによる社会課題の解決を重要課題としていますが、これは当社のものづくりによる環境負荷の低減とセットで取り組まなければならない課題と考えています。CO2や廃棄物といった、ものづくりから生じる環境負荷を低減することにより、持続可能なものづくり体制の構築に繋げるよう取り組んでいます。
CO2 削減へ向けた取り組み
パリ協定などの国際的な枠組みの中でも、気候変動リスクに対する取り組みが強く求められており、当社はものづくりにおけるCO2排出量の削減を重要なテーマと定め、取り組みを推進しています。
CO2のScope1及びScope2における排出量を、2030年度末までに2013年度比46%削減することを目標に定め、2024年度以降も毎年5%ずつ削減できるように取り組んで参ります。
CO2 排出量実績

※電力使用によるCO2排出係数は、環境省公表の『電気事業者別排出係数』を使用
CO2 排出量削減に向けた取り組み事例
太陽光発電システムの導入

2022年度及び2024年度に福田工場にてそれぞれ総出力210kW / 200kWの太陽光発電システムを導入しました。また、2025年度には本社工場にも新たな太陽光発電システムを導入する予定です。
省エネ設備の導入

消費電力量やエネルギー効率の観点から、省エネにつながる設備を選定し優先的に導入しています。2022年にインバータータイプのコンプレッサーを導入し、57,000[kWh/年]電力を削減しました。
モーダルシフト
Scope3(事業者の活動に関連する他社の排出)のCO2排出量の削減の一環として、また、物流の2024年問題に対処するため、製品の客先配送に関わるモーダルシフトの検討を始めました。
具体的には、従来トラックによる陸送であった当社工場から国内客先への配送に関して、配送量の50%ずつをトラックによる陸送と、RORO船による海上輸送の組み合わせに変更する試みを始めました。その結果、1回の輸送に関わるCO2排出量を42%以上削減できると見込んでいます。
2024年度にモーダルシフトに伴う効果と影響を確認の上、適用範囲を拡大することを計画しています。


トラック積載率の向上
Scope3のCO2排出量削減および、物流の2024年問題に対する取り組みとして、モーダルシフトの他に、トラック積載率の改善も進めています。アルミリムを出荷する際、従来は俵積みでしたが、パレット積みに変更することにより積載率を10%引き上げることができました。
俵積みの場合、サイズや入数によって積載数が変動し、安定した積載率の維持が困難でしたが、パレット積みに変更することで、トラックの荷室空間を最大限有効に利用できるようになり、出荷数の管理や混載の計画が容易になりました。
また、俵積みの場合には運転手が手作業で積み下ろしをしていましたが、パレット積みに変更することでリフターを用いた積み下ろしができるようになり、作業負担の軽減にもつながりました。

廃棄物の削減とリサイクル化
事業活動から排出される産業廃棄物や金属スクラップ等の有価物の削減に向けた取り組みとして、排出される廃棄物等の重量や内訳を継続的にモニタリングすると共に、主として生産工程における不良発生の低減や生産効率の向上を通じた排出量の削減に取り組んでいます。
直近では老朽化した建屋の取り壊しと、新建屋の建設を進めており、産業廃棄物排出量は2021年度に比べ増加傾向にありますが、有価物(主に金属スクラップ)の排出量は2年連続で前年度比4%の削減となりました。今後は排出量だけでなくリサイクル率の向上にも取り組んでいきます。
