当社は創業以来、各種チェーンやバイク用リム・ホイール等を中心としたものづくりから、自動車、産業機械、福祉機器といった領域へ積極的に事業を展開し、発展してきました。

高機能・高品質な製品を追求する中で、金属の成形加工技術や、溶接・研磨技術、強度や耐食・耐摩耗性能などを向上させる熱処理・表面処理技術といった様々な製造技術を保有するに至っています。

これまで培ってきたこれらの製造技術を、個々のニーズに応じて適切に組み合わせることで、必要な機能や品質を備えた製品を社内で一貫して製造できる体制を構築しています。

当社製品への適用一覧

製品群 材料 成形 接合 研磨 熱処理 表面処理

自動車・バイク・産業機械用各種チェーン

特殊鋼
SUS
プレス成形機械加工
フォーマー加工内製金型
アーク溶接
バレル研磨
ショットブラスト
浸炭焼入れ
浸炭窒化
オーステンパー
拡散浸透
めっき

鉄リム
農機用ホイール

鉄 ロールフォーミングロール成形
内製金型
アーク・スポット溶接
フラッシュバット溶接
バフ研磨   めっき

アルミリム

アルミ ロール成形
内製金型
フラッシュバット溶接 バフ研磨 溶体化人工時効 アルマイト

ハンドルパイプ

アルミ スウェージングベンダー成形
内製金型
  ショットブラスト 溶体化人工時効 アルマイト

塑性加工品
切削品
樹脂成型品

鉄樹脂
SUSアルミ
銅
プレス成形機械加工
フォーマー加工射出成形
内製金型
  バレル研磨
ショットブラスト
浸炭焼入れ
浸炭窒化
拡散浸透
アルマイト
めっき

成形加工

プレス/ベンダー/ロール成形

専用の金型を用いて、プレス機や成形機により大きな力を材料に与えてせん断し、或いは曲げる等の変形を加え、任意の形状に成形する加工技術です。

基本的な金属成形方法ではありますが、高精度なプレス・成形機や金型に加え、それを扱うノウハウがなければ、高い加工精度は実現できません。
当社では専用の金型の多くを自社で内製することで高い精度を実現しており、チェーン部品やバイク用リム・ハンドルパイプの成形などに使用しています。

高度塑性加工

チェーン等で培った技術を更に進化させ、従来プレス加工では難しいとされてきた三次元成形や精密せん断を可能とする技術「ファインプレスフォーミング技術」を開発し当社のコア技術としています。
詳細については塑性加工技術ページをご参照ください。

フォーマー加工(冷間鍛造)

フォーマー(横型多段式鍛造機械)で材料を必要な長さに切断し型に入れ、圧力を加える事により任意の形状に成形する加工技術です。

用途に合わせて穴抜きや打ち抜き、押し出しなどが可能で、材料を削らず圧力で変形させるため切削加工と比較すると材料のロスが少なく、加工時間やコストを抑える事ができ、チェーン部品の成形などに使用しています。

ロールフォーミング

複数のロール金型を用いて、金型の形状に倣った断面形状を少しずつ成形し、最終形状に仕上げる加工技術です。

帯状の鋼材や、あらかじめ円筒状に成型した鋼材を金型形状に倣った断面形状に成形でき、薄肉且つ中空・複雑な断面形状を成形することが可能で、バイク用鉄リムや農機用ホイールの断面形状成形などに使用しています。

スウェージング

分割された回転する金型を用いて、叩きながらパイプ材の金属の外径を絞っていく加工技術です。

円形断面や、四角・日の字目の字断面のパイプを、切断や溶接等の工程を経ることなくテーパー状に加工でき、強度向上や適度なしなりを実現することが可能で、バイク用ハンドルパイプの成形などに使用しています。

機械加工(切削加工)

工作機械や切削工具を用いて、材料を目的の形状に切削する加工技術です。

プレス加工などの塑性加工では実現が難しい寸法精度での加工が可能ですが、生産性やコスト面では塑性加工にメリットがある場合が多く、塑性加工だけではどうしても生産不可能な製品や、チェーン部品のプレス金型の製造などに使用しています。

射出成形

主に合成樹脂(プラスチック)などの材料を熱で溶かし、金属の金型内に流し込んで材料を目的の形状に成形する加工技術です。

複雑な形状を含む多様な形の部品を、連続して素早く大量に成形することが可能で、樹脂製品の大量生産に適しており、自動車エンジンチェーンシステムにおける樹脂部品の生産などに使用しています。

溶接、研磨

フラッシュバット溶接

突合わせ溶接の一種で、同じ金属同士の端面を突き合わせた状態で電流を流し、接触部が火花になって溶融飛散した後、接触面が十分に加熱された状態で強い加圧力を与えて接合する溶接方式です。

溶接速度が速く高能率であり、接合強度が強く高い信頼性を有すると同時に、加熱範囲が狭く熱影響部が少ないことが特徴で、バイク用アルミリム、鉄リムの断面溶接などに使用しています。

アーク/スポット溶接

気体中の放電現象を利用して金属同士をつなぎ合わせる溶接方式をアーク溶接(MIG・TIG溶接)、金属に電流を流し抵抗発熱で金属を溶かし固めてつなぎ合わせる溶接方式をスポット溶接とよびます。

特にスポット溶接は溶接部分が小さく、他の溶接よりも仕上がりが綺麗になることが特徴で、農機用ホイールの部品接合などに使用しています。

バレル/バフ研磨

ドラム形状のバレル容器に研磨石・コンパウンド・水を入れ回転や振動を与えて製品を磨く研磨方法をバレル研磨、研磨剤をつけた綿や麻・ペーパーなどのバフを回転させつつ製品を押しあて磨く研磨方法をバフ研磨とよびます。

チェーン部品などのバリ取り・表面粗さの向上や、バイク用アルミリム・鉄リムの外観仕上げなどに使用しています。

ショットブラスト

金属などの加工物の表面に投射材(細かい砂や鉄、ステンレスの小球など)を吹き付けたり衝突させたりすることで、表面を粗くする加工方法です。

表面に小さな凸凹ができるので、バレル・バフ研磨とは違った外観に仕上げることができ、バイク用ハンドルパイプやチェーン、塑性加工・切削品などに使用しています。

熱処理

浸炭焼入れ/焼き戻し

炭素含有率の少ない金属の表面に炭素を拡散浸透させ、表層近傍の炭素濃度を高めた後に、焼入れ/焼き戻しを行い表面に硬化層を作る熱処理です。

表面は硬く芯部は軟いため靭性に富み、高強度と耐摩耗性を付与することができるため、様々な産業分野で幅広く活用されており、強度と耐摩耗性が必要な各種チェーンやエンジン部品などに使用しています。

浸炭窒化処理

金属の表面に炭素と同時に窒素を浸透・拡散させ、表面硬化層を得る熱処理で、通常のガス浸炭雰囲気にNH₃ガスを添加し、NH₃から分解したN成分により浸炭に加えて窒化も同時に行われます。

浸炭処理に比べ処理温度が低いため処理部品の変形が少なく、また処理温度・処理時間が同じ場合浸炭に比べて硬化層が厚くなる傾向があるため、安定した耐摩耗性を有するなどのメリットがあります。高い耐摩耗性が求められる各種チェーンなどに使用しています。

オーステンパー処理

通常の焼入れ焼戻し処理で得られる組織よりも延性、衝撃値などが向上し、靭性や耐久性に富んだ組織であるベイナイト組織を得るための等温焼入れ法です。

通常の焼入れ焼戻しに比べ、部品のねばり強さや耐久性が格段に向上し、焼入れによる歪みが少ないなどのメリットがあります。特に高い耐久性が求められる自動車エンジン用チェーンなどで使用しています。

溶体化/人工時効硬化処理

アルミ合金の強度向上のために行う一連の熱処理で、溶体化処理によりアルミ合金中の溶け込んでない元素を均一に溶け込ませ、その後人為的に炉内で高い温度を与え時効硬化処理を施すことでアルミ合金中に溶けている元素を析出させ、強度を高めます。

この処理により、軽量且つ高強度なアルミ製品を製造することが可能となりバイク用アルミリムやハンドルパイプの強度向上などに使用しています。

表面処理

拡散浸透処理(金属コーティング)

金属の表面に他の金属元素又は非金属元素を拡散浸透させることで表面を改質する熱処理で、拡散させる元素に応じて様々な特性を付与することができます。

極めて厳しい摩耗環境で使用されるエンジン用チェーンの部品などについて、粉末パック法を用いたクロムの拡散(クロマイジング)やバナジウムの拡散(バナダイジング)を適用することにより、金属表面に硬質皮膜を形成し、耐摩耗性の飛躍的な向上や摩擦抵抗の低減を実現しています。

詳細については、表面処理技術ページをご参照ください。

アルマイト処理(陽極酸化処理)

アルミ製品を電解液の中に入れ治具に電流を流し、電気分解によりアルミ表面に酸化皮膜(アルミの酸化物)を生成する加工方法です。

皮膜には高い硬度と耐食性があり、任意の色に染色することも可能なため、アルミ製品の保護や装飾に幅広く用いられており、バイク用アルミリムやハンドルパイプの耐食性向上やカラーリングなどに使用しています。

めっき処理

素材の表面に薄い金属皮膜を形成させる表面処理技術で、金属を被膜することにより、金属光沢の装飾性や高い耐食性を付与できます。

処理方法によって電解・無電解めっきといった種類や、被膜する金属によってニッケルめっき、クロムメッキといった種類があり、皮膜を付与する部品の用途などに応じて適切な処理方法・皮膜金属を選択ことが可能で、金色チェーンやバイク用鉄リムなどに使用しています。