サステナビリティ貢献技術の開発

塑性加工技術

これまでチェーン等の部品加工において磨いてきたプレス加工の更なる進化を目指した技術開発を推進しています。
高効率・高精度なプレス加工技術を追求することにより、従来は切削等の機械加工でしか実現できなかった精度や形状をプレス加工でも実現できるようにすることで、加工工数の削減や歩留まりの向上を図り、ものづくりにおけるエネルギーロスの低減や廃棄物の削減を目指しています。

開発体制の強化のため、2017年には塑性加工の分野で業界をリードしている㈱スギムラ精工との資本・業務提携を実施し、2020年には当社敷地内に新たに塑性加工開発工場を建設し稼働を開始しました。
今後も外部とのパートナーシップや技術開発への投資を積極的に実施し、イノベーションによる社会への貢献につなげていきます。

塑性加工開発工場の竣工
㈱スギムラ精工との資本・業務提携の実施
技術紹介

三次元成形

高精度・高品位な三次元プレス成形により、冷間鍛造・熱間鍛造加工後の切削仕上げ加工の削減による省エネ化や工数・コスト削減、歩留まりの向上による材料使用量の削減が可能です。

ギアなどの歯成形 ザグリ部のプレス加工

精密せん断加工

複雑形状の部品に対して抜ダレをきわめて小さくし、加工断面の破断や二次せん断のない精密な加工断面の打抜きを1工程で完了し、高精度な加工断面を得ることにより、二次加工等の削減が可能です。

一般的なプレス加工 当社の精密せん断加工


塑性加工技術の詳細については事業紹介の塑性加工ページもご参照ください。

金属コーティング技術

主に自動車・バイクのエンジン内で使用されるチェーンの部品に適用される金属コーティング技術の開発に長年にわたり取組んでいます。

エンジン内という極めて過酷な環境下で使用され、不具合が生じた場合エンジンそのものの故障に直結するエンジン用チェーンには、高い信頼性と耐久性が求められます。特に耐摩耗性能の向上のため、チェーン部品の一つであるピンの表面にセラミック等のミクロン単位の被膜(コーティング)を付すことが一般的となっています。

当社はこれらのコーティング技術の基礎研究の積み重ねにより、耐摩耗性能に優れた独自のコーティングを開発し、エンジン用チェーンの耐摩耗性能を大きく向上させることにより、チェーンの長寿命化や、小型化による材料使用量の削減を実現しています。

また、これまでの開発で培ったノウハウを基に、チェーン部品以外への適用も視野に入れた技術開発にも積極的に取り組んでいます。

圧縮粉砕技術

チェーン・スプロケットなどの製品製造で培った金型設計・プレス制御の技術を応用して圧縮し、様々な物を粉砕することができます。また、他の粉砕方法に比べ、粒径の調整が容易なうえ、バラツキが少ない粉体を作ることができます。
そのため、均質で滑らかな粉体を新たな機能性材料として、様々な分野への適用を考えています。
例えば、これまで廃棄されていた物を粉砕し、新たな材料として利用することで、材料のリサイクルにもつながります。

技術紹介

■ 圧縮粉砕の主な特徴

1)粉砕粒径の調整が容易
2)粒径のバラツキが少ない
3)化学処理不要
4)加工ロス低減可能 など

■ 香辛料の粉砕品の粒径比較
■ 粉砕例

ロールフォーミング加工技術

鋼等の代替素材として、軽量・高強度の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)が注目されています。軽量化による燃費の向上等も見込めることから、自動車や航空機等の構造部材への適用も進んでいますが、成形加工が鋼等に比べて難しく生産性やコスト面での課題もあり、汎用量産部材として広く適用されていくためには、生産性に優れた革新的な加工技術が不可欠です。

当社は、これまで主にバイク用リムや農業機械用ホイールの製造において磨いてきたロールフォーミング加工技術を応用し、熱可塑性CFRPの構造部材生産に適した成形装置を開発し、加工プロセスの確立に取り組んでいます。

独自設計のCFRTP用ロールフォーミング装置